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森本千賀子さん講演会 仕事もプレイベートも120%充実させる方法

本記事は2018年7月27日にImpact Hub Kyotoで開催された講演会の内容を企画運営者(小室 勝裕)がまとめたものです。

■森本千賀子さん プロフィール
1970年生まれ。獨協大学外国語学部英語学科卒。
1993年リクルート人材センター(現リクルートキャリア)に入社。転職エージェントとして、大手からベンチャーまで幅広い企業に対する人材戦略コンサルティング、採用支援サポート全般を手がけ、主に経営幹部・管理職クラスを求めるさまざまな企業ニーズに応じて人材コーディネートに携わる。約3万名超の転職希望者と接点を持ち、約2000名超の転職に携わる。
約1000名を超える経営者のよき相談役として公私を通じてリレーションを深める。累計売上実績は歴代トップ。入社1年目にして営業成績1位、全社MVPを受賞以来、全社MVP/グッドプラクティス賞/新規事業提案優秀賞など受賞歴は30回超。常にトップを走り続けるスーパー営業ウーマン。
プライベートでは家族との時間を大事にする「妻」「母」の顔 も持ち、「ビジネスパーソン」としての充実も含め“トライアングルハッピー=パラレルキャリア”を大事にする。

森本千賀子「もりち」の自分ブランド

 まず森本千賀子「もりち」の自分ブランドについてお話ししますね。キーワードはハッピーキャリア=WILL(自分の意志)の実現です。

 私には3つの立場があると考えています。1つ目は本業の転職エージェントとしてとの立場。2つ目はプライベートでの立場。私はワーキングマザーとして。3つ目はライフワークたる社外活動をする人としての立場です。

 まず転職エージェントの話からしましょう。私はこれまでに累計3万人以上のビジネスパーソンと4500社を超える企業とのマッチングを行ってきました。企業はスタートアップから東証1部上場企業まで様々、オーナー企業が多く、カウンターパートは社長であることが多いです。2010年からは特に年収1,000万円~1,500万円のエグゼクティブの転職エージェントとして活動してきました。

 次にプライベートです。家事は事実上のワンオペ。夫は元々、毎日通勤する勤務形態だったのですが、ある日異動して、週の初めから週末まで出張という日々になりました。私も仕事をしているので、シッターさん、ご近所さん、ママ友が代わりに家事をして頂く機会が増えてきました。さながらチーム モリチでの子育てです。

 それがきっかけでママコミュニティが幾つも出来ました。太陽の会、感動塾などなど9つはありますでしょうか。あと週末は習い事三昧でエネルギーチャージをしています。珍しいところで言えば滝に打たれるということを経験しました。真似しなくていいですよ(会場笑)。あとスキーで骨折して天井ばかり見ていたときに思い立ったのがジョギングです。いつかはマラソン大会にデビューしようと思っています。

 最後に社外活動としてのライフワークです。学生の方々向けにキャリア学の講座で話す、地方を元気にするIターン促進の支援に関わる、さらに婚活支援で人と人とのマッチングもしています。近畿地方では男性のデータベースがまだ不足しているので、ご要望あれば後ほど声をかけて下さい。(会場笑)

 また、NPO理事、社外役員、顧問になる、今日のような講演や執筆、メディア発信もしています。

 本業では2017年3月3日にリクルートキャリアから独立して株式会社morichを立ち上げました。名刺にも書いているように、キャッチフレーズは「幸せの赤いモリチ」。組織と人、人と人とに関する人生のお抱えエージェント、コンシェルジュになろうということで日々活動しています。まず毎朝3時に起きてメールチェック。大体1日30通くらい届きます。一件一件お困りごとを読んでいき、自分で解決策が思いつくのであればそれを書き、すぐには思いつかないなら解決してくれそうな人に繋いでいくということをしています。相談する人と私が紹介する人とが面識ないこともあるので、そこは橋渡しをするとことまで自分で進めます。そして日中は組織、経営者の相談相手になる、採用のブランディング支援をする、ビジネス全般でもプライベートでもお困りごとをお聞きして解決する、という活動をしています。

 ブランドビジョンは「困ったときの“もりち”」。人が困ったときに一番に相談される存在になる、利他の精神ということを大切にしています。

 

理想のキャリアを描く上で戦略的に意識しておくべきPOINT

 私がキャリアについて考えるようになったのは大学三年生の夏、図書館で出会った本がきっかけでした。アメリカには「スカウト」という仕組みがある。それに憧れ就職先は今でいう株式会社リクルートキャリア、まだその頃は従業員数100名ほどの無名企業にしました。

 今になって振り返ると、入社したての20数年前、転職といえばネガティブなイメージでした。しかし今では人生における選択肢の一つとして定着してきたなと感じています。人材紹介市場全体は伸びていて、2016年で2,300億円ほどの規模になっており、6年連続成長中だそうです。職業紹介をする事業所数は2017年には20,406社と2万社を超えるほどにまで増えてきました。

 実際、職業に関する話について調べると、野村総合研究所の調査では10~20年後には日本の総労働人口の49%がAIやロボットに代替される可能性があるとのことです。20年も経過すれば世の中は大いに変わるのでしょうね。

 ここで、20年前を振り返ってみます。ちょうどその頃、担当しているお客様の中にソフトバンクの孫さんがいました。ある日伺わせていただくと、今日はこれから立ち上げるサービスの話をしたいということで、どんなものだろうと思って聞いていると、社名はヤフー。えっ、山登りするのかと思っていると検索エンジンなるものをこれから広めるのだとのこと。エンジンということで自動車部品なのかと思っていたら全然違うようでさらに????になったのを覚えています。今、振り返るといかに世の中が変わったのかよく分かりますよね。

 新卒でいったん就職すれば一生安泰、「就社」という考え方は終焉を迎えたと感じています。M&A、合併、業態転換が相次ぎ、会社名が変わった会社はいくつでもあります。さらに今後はIoTが浸透すると業界という境界線がなくなっていくだろうと考えられています。ごく最近、ガラケーがスマホに変わっていったように、時代変化の中で価値あるものはどんどん陳腐化していきます。そうなると「リスクを取らないことが最大のリスク」であり、会社に属していれば安泰ではなく、キャリア開発は自己責任のものと考えておく方がいいでしょう。それだけに理想のロールモデルにはいくつもの選択肢があるといいと考えています。そしてハッピーキャリアの法則は仕事+結婚生活というワーク・ライフ・バランスではなく、仕事+結婚生活+自己表現の場と3つ全てを手に入れることになると思います。

 そして女性にとって専業主婦というのは幻の彼方にある職業であり、男性に頼りきるのは良くないのです。実際、主婦が再就職することによる経済効果は大きく、統計によると共働き世帯と専業主婦世帯とでは年間可処分所得が634万円 vs. 439万円と大きな差がついています。さらに言えば主婦が再就職することによる経済効果は6.4兆円にも上るという調査もあります。

 働き続けたい以上に働き続けなければならない、ということであれば、自分の1時間あたりの価値、時給を上げていくことが大事です。そしてそれを高くしていくためには、継続は力なりです。スティーブン・コヴィーの7つの習慣に中国の竹に関する逸話が書いてあります。竹は最初の3、4年は地中に根を張り表に出てこない。5年目になると一気に地上25mくらいにまで伸びていく、人の努力と成果も似たようなものだと。

能の名士、世阿弥が唱えた守破離の精神を辿ると
守:基本の型を身につける段階
破:型を破って応用する段階
離:創意工夫を重ね、自分独自のものを追求し、新たなものを確立する段階
になります。闇雲に頑張るのではなく、順を追って物事を進めていく必要がありますね。

 ここでオススメ図書を1冊紹介します。「1%の自分革命」(著者:平野秀典)です。著者によると「人生を面白くするのは、案外 運命的な出会いや一念発起した決断ではない場合が多い。小さな小さな行動力だけで、1年後には全然違うところにたどり着ける。」とのことです。かつて私自身を取材していただき、そして毎回録画して見ているNHKの番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」で特に好きなメッセージで言えば

プロフェッショナルとは・・
昨日の自分を超えることを継続し続けること @市川海老蔵

 

さらに価値を高めていくための戦略とは

 多数に流されないマイノリティ戦略です。希少価値こそ大切。一昔前だと「女性×営業」「転職エージェント」でした。私自身、女性の営業だとすぐにお客様に覚えて頂いたり社内報にすぐ掲載していただけたりしました。今だと「女性×管理職」です。ただ管理職と言っても、一昔前と理想像が変わってきています。トップダウン型の統率型リーダーでなく奉仕型のサーバント型リーダーが必要とされています。横浜市長(2018年7月現在)の林文子さんも女性はリーダーに向いている、俺について来い!より包容力が必要だと説かれていました。しかし女性の方に管理職になりたいか聞くと、9割近くの方がなりたくないと答えるそうです。女性ならではの特徴としてインポスター症候群(成果をあげても自分が立派だからではなく他人から過大評価されていると考えたがる性向)があるのだろうと思います。実際、女性×エグゼクティブである方々にどうやって今のポジションを手に入れたのか話を聞くと「上司(ボス)にポン!と背中を押されたから」ということが多いですね。気がついたら今のポジションに収まっていた、というところでしょうか。是非、そんな女性を見かけたら背中を押せるような存在になって下さいね。

 私自身、管理職を経験させて頂いて分かったのは、子育てとマネジメントとはイコールであるということです。自分のメンバーが優秀な成績で表彰されるシーンを見るのは、自分が表彰される時より嬉しいもので、これこそ母性だと思います。働き方改革、女性活躍推進で大事なこととして働きやすさに話題が向けられがちです。それは間違いではないと思いますが、それよりはるかに働きがいを管理職の中に見つけられるかが大切だとも思います。

 

今、求められている人材とは

 世の中のエグゼクティブから、どのようなスキルが必要だと思うか聞くと、よくある回答は「変化対応力」。

 どうすれば身につくかというと、失敗を恐れず挑戦すること、身の丈より少し上のことにチャレンジすることだそうです。もちろんのことチャレンジをすると、その先には修羅場がやってきます。挫折・試練・逆境の場であり、それを乗り越えることが大切なのです。こうしたことは他部署への異動、子会社などへの出向、本社から離れたところへの赴任、新プロジェクトへの参画、管理職の経験蓄積、起業や転職などがあると経験しやすくなります。

自然学者 チャールズ・ダーウィンの言葉を借りれば
最も強いものが生き延びるのではなく、
最も賢いものが生き伸びるのでもない。
唯一生き残れるのは変化できるものである

 といってもそんなすぐにできるものではありません。勤務先全体の事情もあるでしょう。そこでお勧めしているのがパラレルキャリア、兼業・複業をすることにより自ら環境を創り出すことです。そうなると2枚目、3枚目の名刺を持つようになります。100年人生と言われる時代になり、本業、家族や友人との生活だけでなく、存在価値を実感できる「居場所」、利害関係を超えた「人付き合い」を得られるようになってきており、それを複業で叶えるのです。その先にあるものの一つとして大切にしてほしいのが人脈の構築であり、これこそがビジネスパーソンにとって最強の武器になります。これがあると人間的な魅力も仕事をこなす能力もアップしやすくなります。それなのに会社や学校以外で積極的に人脈作りをしている人は10%にも満たないそうです。本当にもったいない限りです。

 

もりちの考える人脈へのこだわり

 5つあります。

(1)誰を知っているかではなく誰に知られているか
頼るより頼られる人になること。いかにして相手の役に立つかを大事にし、人から頼られるくらいになるのがちょうどいいと思います。

(2)アーリーステージの企業に投資するVCの精神で
相手が有名になってからではなく、有名になる前から出会って物事に取り組むと二人で一緒に成長でき、互いに得るものが大きいものです。それでこそ深い関係を築けます。

(3)利害関係を超えた人付き合いを大事にする
100人の知人より、1人の絶対的支持者がいる方が成功しやすいものです。本当に困った時にあなたを助けてくれる恩人を大切にしましょう。

(4)部下・後輩・年下との人間関係を大事にする
後進との人間関係は自己成長に直結します。育てられた恩は消えないものです。育ててきた人には自然と多くの人が集まるようになり、情報やチャンスも集まってくるようになります。この蓄積によるメリットは絶大です。

(5)疎遠な関係も簡単に復活できる
万が一しばらく薄い関係になったとしても、繋がっておくことが大事です。私は年賀状を数千人の方に毎年送って繋がっておくようにしています。年に一度でも触れ合う機会を設けておくと関係は絶えないものです。そして会う必要があるようになったら必ず会えると信じましょう。

そして、会うべき人、会いたい人と出会うためには自分を成長させてくれる人と縁を結ぶようにしましょう。
(1)自分はどんな人に会いたいのか常に意識しておく。
(2)社外だけでなく社内人脈をもおろそかにしない。
(3)現在人脈でなく未来人脈を大事にする。これからの人生に関係する自分ブランドを作りましょう。
(4)前向きな人と出会える場所に足を運ぶ。行った先でWIN-WINの関係を築ける外部パートナーを増やしましょう。
(5)自分の応援団を作る。導いてくれるメンター、応援してくれるサポーターを作るようにしましょう。

 

キャリアを考える上で大事なこと

 私が復職直前、まだ赤ちゃんである息子を保育園に連れて行った時のことです。子供を手から離すと長男はママと離れたくない!からか大声で泣いてしまいました。子供と離れてもその姿が忘れられず、私は気がついたらカフェに行き、子供を預けてまでする仕事とは一体何なのか、何のために仕事をするのかじっと考えていました。

考え抜いた上での答えは
大義

仕事を通じて何を成し得たいのかということです。

 私の父は脱サラして中小企業を起こしました。その背中を見て育っただけに、私自身が父の背中になり、中小企業を支援したい、それがもりちの仕事の大義、使命なのだということを思い起こしました。目標はミッションとほぼ同じ意味合いで考えてもいいと思います。

 1900年、英国「南極探検隊」募集の新聞広告にはこう書いてありました。
『探検隊員を求む。
至難の旅。わずかな報酬。極寒。
暗黒の長い月日。絶えざる危険。
生還の保障なし。
成功の暁には、名誉と賞賛を得る』

 これに5000名ほどの方が応募したそうです。
大義・ミッションが明確であることはいかに大事なことかがよく分かるだろうと思います。

 私の場合、人生のミッションとしては母として子供に背中を見せるということがあると考えています。
人生の先輩として、人生を前向きに生きている。仕事を楽しんでいる、という大人の背中を見せる事を大切にしています。キラキラした背中を見せるためにもまずは自分自身がやりがいをもって生きることが大事だと考えています。

 私のメンターになっていただいている方のお一人からこんな話を聞いたことがあります。その方は人生50歳にして初めて就職したそうです。就職してどうかお聞きすると毎日が新鮮で今までにない生きがいを感じるとのことでした。思い立ったら吉日、何事にも意味があり、学びがあるものなのですね。人生は自分で創れますし、変えられます。忘れてはいけないのは今ここにいるのは自分が自分で選んだ人生であるということ。

意識が変わると行動が変わる
行動が変わると習慣が変わる
習慣が変わると人格が変わる
人格が変わると人生が変わる

皆さんお一人お一人との一期一会に感謝です。

講演はここまでです。会場ではこの後、参加者が講演会を通じて考えたこと、今後したいことを書き、意見交換をするセッションを設けました。

やり取りは盛り上がり盛り上がり、場を変え、懇親会の場でもさらに語り合う展開になりました。

 

■参考 講演内容のグラフィックレコーディング

作成:山本彩代さん(NPO法人場とつながりラボhome’s vi)

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プロフィール

小室

小室 勝裕
1972年生まれ。京都市在住。
10年来、購買業務のうち間接材の取引見直しによるコスト削減を様々な立場で経験。コンサルテイング会社勤務時代には事業を西日本に拡大するに当たっての現場の最前線を背負う。事業企画、経営企画、そして内閣府に出向して国の制度改革にも貢献した後、製薬会社に転職、現在に至る。
週末は二児の父として子供と外出する日々。

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